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2010年2月25日 (木)

ひと足早く「春」になりましたネ。


本日木曜日。

毎度の錦小路にて「桃」の枝を買いました。

薄すぎず、濃すぎず、想いどうりの桃色の「桃」です。

食材でも、花材でもこの「想いどうり」と言うのが案外難しく、先週は有ったのに、今週は無いなんてしょっちゅうですし・・・

魚でも、野菜でも、花材でも「その時勝負」です。

今夜、早いお時間に時々お顔を見せてくださる女性のお客様が、まだどなたもいっしゃらないカウンターのお席にお座りになりました。

今、活けたての「桃の花」の清々しいカウンターです。

いつも通り、沢山は召しあがれないので二品少なめの懐石でとのご注文。

通常6300円のお献立を5250円でお作りいたします。

他にはまだお客様がいらっしゃいませんでしたので、お給仕しながら、お仕事先とご自宅の間に『魚棚』が在る事、ご自宅でお夕食のお支度をなさらなくても良い日にご来店頂ける事などお話させて頂きました。

最後のお料理「焼物」が少し多くて、「雲子の照焼き」と「海老芋の田楽」を半分ほどお残しになりました。

お帰りになる時に「いつもデザートの『白玉あんみつ』が食べたくて伺うのですが完食できませんでした。」とおっしゃいます。

去年まで、当店二階に姉妹店『ふれかんて』というカフェがございまして、そちらにて度々『豆かん』をご注文頂いていたらしく、『ふれかんて』休業中の現在『魚棚』にてお食事とともに、懐石後のデザートとして『あんみつ』を召し上がって頂いているらしいのです。

本当にありがたい事です。

『ふれかんて』の店主が、健康上の理由でやむなく休業させて頂いておりますのに、こうして顧客のお客様が『魚棚』に来て下さっております。

「今日は量が多くて申し訳ありませんでした。次回にはもう一品少ないお献立をお作りいたしますね。そうかデザートだけでもご遠慮無くご注文くださいませ。」

「えっ、それでもよろしいんですか?」

「ええ、どうぞご遠慮無く。」

「ありがとうございます、また来ます。」

お見送りするのも温かな、三月間近の夕刻に、その方は「桃の花」の笑顔で軽やかにお帰りになりました。

2010年2月18日 (木)

☆『魚棚』のご褒美☆


今日は木曜日。

もう14~15年のあいだ、毎週木曜日の正午にご来店になるお客様がいらっしゃいます。

書道のカルチャースクールに通っていらっしゃる方々10名様。

日によってお休みなさる方もいらっしゃいますので毎回10名様とは限りませんが続けてご来店頂いており、大変有難い事だと感謝しております。

その中のお1人、ご出身が山口県の萩市と受け賜っておりますお客様から本日天日乾しの「新若布」を頂戴いたしました。

その方のおっしゃるには、地元にお住いの幼馴染のご老人が、お手ずから鎌で刈って天日乾しにし、ワラで束ねてくださった正真正銘まごころのこもった「新若布」。

ビニール袋から出して香りを聞かせて頂く前から磯のかぐわしさが鼻腔に沁みて、夏休みの浜辺の記憶が遠い郷愁から引き寄せられて参ります。

京都に居ます旧友に食べさたいと「新若布」の本当に柔らかい穂先だけを丹精した逸品。

「心を頂く」とはこの事。

料理屋としてお客様に「心を召し上がって頂く」。

その事を、料理屋本来の有り方として、指針として、日々精進して往きたいと感じております。

言葉にする事は簡単ですが、日々、形にする事は並大抵で無いのは重々承知。

「人はパンのみにて生きるにあらず」。

「神のことば」では無しに、自分以外の誰かの「きもち」が有るから平穏無事に毎日が過ごせるのだと感謝する毎日です。


2008年11月 4日 (火)

料理屋のしごと


七月の或る日の夕刻。

ご家族連れの三名様がテーブルのお席にお座りになりました。

私と同年くらいのお父様とお母様、それと13才くらいのお嬢様のお三人。

私が担当させて頂いておりましたが、ご注文の頃から何か「不自然さ」を、感じておりました。

どうやらお母様が夜分にも係わらずお帽子をお取りにならずにいらっしゃるのが「そう感じる」原因だと解釈いたしておりました。

何事もなくお食事をすまされ、和やかにお帰りになる運びとなり、ご主人様とお嬢様が先に表にお出になり、奥様がお会計の為にレジにお立ちになりました。

「ありがとうございました、お食事はご満足頂けましたでしょうか?」

「ええ、とても美味しく頂戴いたしました。ごちそうさまでした。」

「それはよろしかったです。お口に合いまして何よりです。」

「じつは、こうして『魚棚』さんに寄せて頂くのは二年ぶりなんです。私が病気をしまして・・・それまでは毎年、一度京都に来た時には『魚棚』さんに寄せて頂いていたのですが。」

「そうですか・・・」

「こうして今年二年ぶりに来れました。」

「それは、憶えて頂いていて、ありがとうございます。」

「また、来年も来たいと思うのですが、来れるかどうか・・・」

「そんな事おっしゃらずに是非ご来店くださいませ。お待ちして居りますので。」

「それが・・・、わたしが乳癌で・・・、それで来年は、来られるかどうか分からないのです。」

「・・・」

「今日は久しぶりに『魚棚』さんに来ることが出来て本当に嬉しかったです。ありがとうございました。」

と、お出になる後ろ姿に「あっ、ちょっとお待ち下さいますか。」

「これは私ども『魚棚』でお昼に使用しております『お箸置き』でございます。南天の木で拵えておりますので『難を転ずる』の意味もございます。毎日お使い頂きましたらきっと来年もお越し頂けるると思います。どうぞ詰まらない物ですがお持ち帰りください。是非、来年もお越し下さるのを心からお待ち致して居ります。」

いち料理屋の支配人の私に出来る精一杯の気持ちをお渡ししたつもりでした。

後ろ姿をお見送りしながら、図らずもお聞きしたお客様のお話に「悲しさ」と「切なさ」と、お越し頂けた「嬉しさ」とで、どうして善いか分からず、しばし途方に暮れておりました。

新京極の角をお曲がりになって、お姿が見えなくなるまでお見送りして、店内にもどり、お席の片付けをしようとふと椅子を見ると、書店の袋のお忘れ物がありました。

とっさに、袋を持って表に飛び出し、着物姿で新京極の角まで小走りで後を追いかけ角を曲がったその時、立ち止まりました。

その場でご夫妻向き合って奥様は泣いていらっしゃったのです。

お嬢様は少し離れたところからご覧になっておりました。


あっ・・・見てはいけないところを見てしまった・・・

と。

お忘れ物を差し出し、無言のままお渡しするだけが精一杯でした。

あれから4ヶ月。

短くはない時間、この仕事を続けて来て初めて考えさせられました。

常々「料理屋とはお客様に空腹を満たして頂くだけの場所ではない。」と、スタッフには話し、自身にも言い聞かせて参りましたが、今回ほど考えさせられた事はありませんでした。

きっと「機が熟して」神様が巡り合わせて下さったのでしょう。

この出来事を自分だけではなく多くの方に知らせる事が、飲食という仕事に従事するたくさんの人たちに知って頂いて、自分たちが何をしているのか、どんな「心づもり」をして仕事をするべきなのかと云う事を考え直して頂くきっかけになればと願っております。

ブログを書き始めまして間も無く「この出来事」がございました。

「この出来事」が心の歩みを止めたまま、あの日に立ち止まったまま、あの日、新京極の角を曲がったその場所で立ち止まったまま、私は今日まで居ります。

そして、今日、こうして「魚棚のブログ」が書けて居ります。

今、確実に申せます事はひとつだけ。

ご病気のお客様が、どうぞ回復され、お元気になって来年もお顔を見せてくださる事。

ただそれだけでございます。

「料理屋の仕事」。

それについてはこれからもずっとずっと、考えてゆきたいと思っております。


2008年6月27日 (金)

本日のお客様。

今日のお昼に素敵なお客様お二人がご来店になりました。

おしゃれな輸入キッチン用品の販売をされてるお客様です。

いつもセンスの良い商品を提案してくださって安心してお店に伺うことができます。

長年、接客のお仕事をされていらっしゃいますので、さすがに「人との距離」を、とても熟知されており、お話させていただいていても、毎回あっと言う間に時間が過ぎてしまいます。

これは、わたくしたち飲食のサービスの中では稀な機会です。

常にわたくしたちサービス業に従事する者は、「癒すことで癒される」側面がございます。

そういう意味からも、希少な有り難いお客様です。

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