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2010年2月18日 (木)

☆『魚棚』のご褒美☆


今日は木曜日。

もう14~15年のあいだ、毎週木曜日の正午にご来店になるお客様がいらっしゃいます。

書道のカルチャースクールに通っていらっしゃる方々10名様。

日によってお休みなさる方もいらっしゃいますので毎回10名様とは限りませんが続けてご来店頂いており、大変有難い事だと感謝しております。

その中のお1人、ご出身が山口県の萩市と受け賜っておりますお客様から本日天日乾しの「新若布」を頂戴いたしました。

その方のおっしゃるには、地元にお住いの幼馴染のご老人が、お手ずから鎌で刈って天日乾しにし、ワラで束ねてくださった正真正銘まごころのこもった「新若布」。

ビニール袋から出して香りを聞かせて頂く前から磯のかぐわしさが鼻腔に沁みて、夏休みの浜辺の記憶が遠い郷愁から引き寄せられて参ります。

京都に居ます旧友に食べさたいと「新若布」の本当に柔らかい穂先だけを丹精した逸品。

「心を頂く」とはこの事。

料理屋としてお客様に「心を召し上がって頂く」。

その事を、料理屋本来の有り方として、指針として、日々精進して往きたいと感じております。

言葉にする事は簡単ですが、日々、形にする事は並大抵で無いのは重々承知。

「人はパンのみにて生きるにあらず」。

「神のことば」では無しに、自分以外の誰かの「きもち」が有るから平穏無事に毎日が過ごせるのだと感謝する毎日です。


2008年11月 7日 (金)

テレビ取材のむつかしさ

本日、読売テレビよりご取材依頼のご連絡がございました。

毎週日曜10時半からの番組で「大阪ほんわかテレビ」の「昼ごはんでっせ~」というコーナーで、12月に「なべやきうどん」の特集を企画していらっしゃるとのこと。

「魚棚」開業当初よりのオリジナルメニュー「白味噌煮込みうどん」をご取材いただけるというお申し出でした。

ご取材のお申し出は非常に有り難いのですが、業界にて良く耳に致します「テレビ取材のむつかしさ」を考えましたときに、日頃からお越し頂いておりますお客様にご迷惑をお掛けするわけには参りませんので、心苦しくも辞退いたしました。

わたくしども「魚棚」は先代が中央卸売市場にて鮮魚の仲卸を営んでおりまして、その関係で魚の仕入れがよそ様のお店より容易く致せます。

その上、三年前からは市内でも一二を争うの老舗の「懐石料亭」より優秀な若手料理長を招いて、昼夜共にお客様からは「リーズナブルで美味しい」と評判を頂いております。

先日、お気に召して頂いて、3日続けてご夕食にお越し頂いたお客様もおいでになりました。

もし、テレビ放送にてご紹介頂いたなら間違いなく「白味噌煮込みうどん」をお目当てのお客様方が大勢お越しになるはず。

この「白味噌煮込みうどん」は、本来、ご夕食の時間帯に単品でお料理をご注文頂くお客様の為に「ご飯代り」としてご用意させて頂いているお料理ですので、そればかりをご注文のお客様が大勢お越しになって、今までご愛顧頂いておりますお客様が、お食事出来ないことにでも成りましたら大変申し訳ないことになります。

やはり「テレビのご取材」はむつかしいと感じました。

2008年7月 1日 (火)

伊佐木(いさき)の炙り造りの美味しさは

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 いすずくれつき(彌涼暮月) かぜまちづき(風待月) 

 すずくれつき(涼暮月) せみのはつき(蝉羽月)

 まつかぜつき(松風月) なるかみつき(鳴神月)(鳴雷月)
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七月一日

旧暦では、ひと月遅れなので、今であれば今日は六月。

いにしえの人々が呼んでいた月の名前は、やはり蒸し暑かったせいか字面を見るだに涼しげな言葉が並んでおり、現代人にはない、「日本人」の洗練された「美意識」に改めて驚かされます。

この言葉達のここち好い響きは、祈りの言葉にも似て、今まさに、そよ風が吹いて来るようにも思われ、「いまのひと」に足りていない想像力や、気持ちの豊かさを思い知らされます。


それとは別に、今月の魚棚の献立に「伊佐木(いさき)」がございます。

六月、七月が最も美味しい旬の魚です。

古代、「いさ」は磯を「き」は魚をあらわすそうで、なんだかネイティブアメリカンのことばの様にも思われます。

いにしえのことば達が持っている「音」の素朴な「風情」や、強い「パワー」を初めて意識いたしました。

そんなこころの在り様に負けない「つろくする」美味しさを感じて頂きたいと松浦料理長が御献立致しました「伊佐木の炙り造り」。

ほど良く弾力のある肉質に皮目を焦がした奥行きのある風味、それだけなら他のお店にも有り得ると思いますが、「魚棚」では季節限定、この時期の完熟した、やわらかな酸味の酢橘(すだち)の果汁と、伊豆大島の海塩にて召し上がって頂いております。

旬の時期ならではの、伊佐木の造り身を「炙り」に調理致しました、「真の醍醐味」を、お一人でも多くの方に是非一度味わって頂きたいと毎日願っております。


※「つろくする」とは京都弁で「釣合いがとれる」こと。「この着物にこの帯はつろくせえへんしなぁ。」と言うたりします。へぇおおきに。


 

2008年6月28日 (土)

鱧(はも)の良し悪し。


京の「夏の風物」に「鱧(はも)」がございます。

現在、魚棚で仕入れておりますのは徳島産の「活け鱧」です。

あちこちで水揚げされますが、国産では徳島産が最上とされております。

「活け鱧」と申しますのは、生きた鱧のことでございます。

すぐ近く、京の台所「錦小路」の魚屋さんから、魚棚に来る直前に活け〆にされて参ります。

到着すると一秒を惜しんでまず水洗い。

皮表面のヌメリをタワシで良く擦り、流しっぱなしの井戸水で、勢い良く洗い流します。

きれいさっぱりヌメリが取れたら、これまた寸分を惜しんで腹から尾にかけて一気に開き、内臓、卵、肝などを取り除き、頭と中骨を目にも留まらぬ早業で身から放ちます。

この間はほんの5~6分。

ここまで急ぎで作業を進めるのは、せっかくの「活け鱧」の鮮度を落とさないため。

これからが「鱧の骨切り」と言われる工程でございます。

まず、鱧の開き身が骨切り中に動かない様に皮目をピタッと俎板に密着させます。

今まさに骨切りされようとしている、開いた「活け鱧」の美しさと言いましたら、暗い洞窟から出された「初めて日の光を浴びた水晶」のように透き通って艶のあるそれでいて、うっすらとべっ甲色を帯びた肉質が、信じられないことに、こまかくケイレンしているのです。

良く切れる包丁で開いた白身魚の切り身特有の、かすかに縮れた表面が、いつ止まるともなく細かなさざ波のように繊細に繊細にケイレンしているのです。

みなさまにも、ご覧頂きたいのですが、とうてい動画では捕らえらません。

はじめて目に致しました時は鳥肌が立ちました。

まさに「命のある食材の美」です。

こんな内容の話、どこのお料理屋さんでもしてはらへんと思います。

ぜひ一度、魚棚の「鱧の落とし」を、お召し上がりにお越しくださいませ。

今までの「鱧の落とし」とは一味ちがう真実がございます。


魚棚